Birthday for you

前回の少年倶楽部で健人くんと風磨くんが『Love is…~いつもそこに君がいたから~』という曲を歌った。今までほとんど聴いたことのない曲だったけれど*1、調べたら2006年のKinki Kidsの『I album -iD-』というアルバムに収録されている曲なんだね。このパフォーマンスを、もしまだ見ていない人がいたらダビングするから見てほしいと思う。真っ白なスーツで、まっすぐ前を向いて歌う二人の姿がとにかく素晴らしいのだ。

 

『Love is…』が歌われたのは、3月9日と3月11日に放送された「時」というテーマの回で、歌う前にこんなメッセージが読まれた。

健人:あの時、お母さんのおなかの中にいた君たちはもうすぐ小学一年生になるんだね。あの時、きみたちのお母さんは、涙と一緒に大きな決意をしたんだと思う。どんなことがあってもこの子たちを守る、と。そして願ったのはただ一つ。元気に生まれてきますように

 

「あの時」というのは、東日本大震災のことだ。

7年前の2011年の3月、まだSexyZoneはデビューをしていない。わたしはこの当時の彼らのことをリアルタイムで全然知らないのだけれど、思い出したのは、メンバーのマリウスくんが2014年のコンサートのMCで話していた2011年のこと。

マリウス:メンバーとファンのみなさんへ。僕は今日14歳になりました。思えば2011年4月、東日本大震災の3週間後、まだドイツから日本に通っていた僕。ママと二人でフランクフルトから日本に飛ぶときに税関の人から、『今から子どもが東京へ?絶対にやめておきなさい。今からでもキャンセルしなさい』と知らないドイツ人から言われたことを今でも覚えています。でも僕の心は、どんな状況になっても僕の夢から逃げずに、ジャニーズに入ってみんなを幸せにするんだって、絶対にあきらめない、と決心

していました。そして、行きも帰りの飛行機も、子どもは僕ひとりでした*2

 7年前、おなかに新しい命を宿して大きな決意をしたお母さんのように、デビュー前の今よりもずっと小さな身体に大きな夢を宿して、この夢を絶対に守るんだ、と決意していたのは彼ら自身でもあるのかもしれないと思う。

 

メッセージの続き。

風磨:そして7年が経った今、きみたちが眩しく見えるのは、ランドセルがピカピカだからかな。いや、眩しいのはいろいろな可能性を秘めたきみたちの未来があるからなんだ。さあ胸をはって。僕たちはきみたちと同じようにあの時を忘れない

人:きみたちの力強く、新しい一歩を、祝福します

風磨:この歌に愛をこめて

メッセージの受け手が一気に広がる。このメッセージは、「もうすぐ小学一年生のきみたち」だけではなく、きっとすべての未来のある「きみたち」に贈られている。

 

 

 

今までの健人くん風磨くん二人のパフォーマンスで印象的だったのは、ジャニーズジュニアランドの『欲望のレイン』。これまたKinki兄さんの曲。2人がめちゃめちゃギラギラしていて、「俺を見ろ!!!」というオーラがすごい。それから2012年2月の国際フォーラム「FIRST CONCERT2012」の『ひらひら』。やはりKinki Kids。SexyZoneとして初めてのコンサートで当時17歳の健人くんと16歳の風磨くんは、『ひらひら』を歌った。黒と白のスーツで。わたしはどちらも後から映像で見たのだけれど、なんで2人がこの曲を選んだのか不思議だったのだ。

比較的すぐにJrの中でも人気が出て、そのまま史上最年少グループとして華々しくデビューを飾った人たちが、なぜこんなに悲しい曲が似合うのか、なぜどうにもならない喪失の予感の曲を歌うのか、わからなかった。

かじかむ手を空にかざし 太陽をなでた

君のいいとこ想い出しては だぶらせたりした

この坂でキスしたっけな 春の終わりに

別れの合図と気付いてしまった 嗚々嗚々

引ずって 打たれて それでも 唄ってしまう

形のないもの全て 壊してしまいたい

君が云った愛してるよも今じゃ ひら ひら ひら 

Kinki Kids『ひらひら』

太陽にむかってかざした指の間からひらひらとこぼれ落ちてしまう大切な記憶、信じていた未来への愛の誓い。「ソラニカザシタテノヒラ」から始まるデビュー曲との符合も、少しだけ皮肉な感じがした。あのときの2人は、「なくしそうな愛ほど人を壊せるくらいに美しい」「形のないもの全て壊してしまいたい」と歌うのが似合っていた。

 

 

 

それから6年経った二人は『Love is…~いつもそこに君がいたから~』を歌うのがとても似合っていた。『欲望のレイン』や『ひらひら』があんなに似合っていたのには、グループを取り巻く環境とかいろいろな要因があったんだと思うけど、今『Love is…』が似合う理由は、 SexyZoneとして過ごしたこの6年なんだよなとおもう。

ここにある僕の気持ちをずっと大切にしていきたいよ

体中で感じた答えは 手を繋ぎこの道を歩くこと

探してたずっと前から 終わることない愛のカタチ

君がくれた言葉の意味さえ 上手くわからずに 傷つけたけど

 

こんなにも誰かを愛しく思えること 何よりも誇りに思うから

君を支えたい いつも君の側で 愛はいつでもこの胸の奥で

 

Love is…for good こんなに優しくなれたのは 君がいたから

Love is…for all その笑顔が見たいから そこまま側にいさせて

Love is…because 気づけばいつのまにか 近くに感じていた

Love is…believe  忘れないさ いつの日も 心に愛を届けよう

Kinki Kids『Love is…~いつもそこに君がいたから~』

健人くんと風磨くんが、いまここで伝えたいのは、いつか終わりがあることを知ったうえで、それでも誰かを大切に思う勇気みたいなものなのかな。

それで、その伝えたいメッセージを、アイドルの自分たちが伝えることに意味があると思っているんじゃないかな。ふまけんはいつだって、2人が揃うことで生まれるパワーを、それから最近はSexyZoneが5人揃うことで生まれるパワーを誰よりも信じているように見える。2人は正反対なことばかりだけれど、アイドルの力を誰よりもまっすぐ信じているところはそっくりだ。

去年のコンサートの健人くんのあいさつが本当に好きだった。

健人:厳しい現実が俺たちの夢を壊すことも今まであったかもしれない。当然みんなにも、悔しい思いをしたり、寂しい思いもしたり、たくさんあったよね。でも、これからも、厳しい現実が夢を壊すことがあるんだったら。今度は俺たちとみんなの大きな夢が厳しい現実を壊してもいいんじゃないかなって思います

現実が夢を壊すなら、何度でも夢を描き直そう。悲しいことがあっても、これから一緒にハッピーエンドを書き足そう。

風磨くんが今年新聞のインタビューで言っていた言葉が重なる。こういうことをはっきり言ってくれる風磨くんが好きだな。

「例えば日本が災害に遭った時にパフォーマンスをしたら皆に元気を与えられるような、影響力を持つナンバーワンのグループになりたいです」*3 

去年のサマパラで、マリウスくんが披露した『そばにいるよ』の英語verがすばらしくて、この人がいたら本当にSexyZoneはナンバーワンになれるのかもなあと思った。これはその英語詞をマリウスくんがさらに日本語訳したもの。

自分自身のままでいられないとき

あなたのことを心から愛しているわたしのような人が常にいる

星が見えない夜には自分が星になればいい

分自身を引き離さないで

あなたはあなたのままでいて わたしはわたしのままでいる

「わたしのまま」でアイドルっていう存在をどんどん進化させてくれそうなマリウスくん、まだ17歳。愛してる。 

 

今日は3月生まれの3人の話ばかりしたけど、勝利くんも聡ちゃんも好きなんだよなー。5人とも好きです。アイドルのパワーをめちゃめちゃに信じている5人のつくるものをこれからも見たい。

 

一歩踏み出したい人の背中を押すんじゃなくて肩を組んで歩く昔からの友人のような。 

悲しみで立ち上がれない人に優しく力強く手を差し伸べるスーパーヒーローのような。

つらい現実を忘れるくらいの圧倒的な美しさで人を幸せにするトップスターのような。 

今日も素敵なアイドルでいてくれてありがとう。

菊池風磨くん、23歳のお誕生日、おめでとうございます。

中島健人くん、24歳のお誕生日、おめでとうございます。

マリウス葉くん、もうすぐ18歳のお誕生日おめでとうございます。

 

このブログ読んでいる人でSexyZoneのアルバム買っていない人ってほどんどいないと思うのだけど、もしも!もしもまだもっていない方がいたら、最新アルバムほんとうによいのでぜひ聴いてみてください。このエントリのタイトルにもしたスーパーSexyハッピーソング『Birthday for you』も入ってるよ!特典映像つきのABも良いんだけど、今回はメンバー作の曲が入った通常盤がおすすめです。ぜひぜひぜひ! 

XYZ=repainting(通常盤)

XYZ=repainting(通常盤)

 

 

 

 

*1:って書いた後にたまたま二年前の風磨くんのソロコン『風 is a Doll?』つけたら半澤くんと増田くんが歌っていた!

*2:2014年3月のコンサートのMCでマリウスくんのお誕生日を祝うサプライズへのお返しとして読まれた手紙の一部

*3:讀賣新聞』2018/2/12