人形たちはアイドルの夢を見るか? ―菊池風磨ソロコンが超楽しかったよ!―
さあさあ書きかけのエントリを全部ぶっちぎって菊池風磨ソロコンサート『風 is a Doll?』のお話をするよ!セトリとか詳細は他のブログにお任せして、超個人的に思ったことを好き放題書くよ!!なぜか映画『マッドマックス4』のネタバレもあるから注意してね!あと、ぐだぐだ言わず「楽しかった」でいいじゃん語り厨消えろ!って方も自衛してくださいませね♡
決して風磨担が多いわけではない私のTLが、上のまとめみたいになった風磨ソロコン初日の8/2。こんなにハードルあげられて大丈夫かよと思いながら、8/4に参加したのですが…。
ハードルあげられても「全然大丈夫だったよ!!!」
腕振り上げて踊ってすっごい楽しかったし、風磨くん歌うまいし、コントおもしろいし、甚平かわいいし。
ここ最近のSexyZoneのコンサートは、会場に「答え合わせ」をしに行っているような感覚が強かったのです。五人は最高なのだけど、ちょっと演出がアレなところがあって、事前にある程度レポで見たいところと見たくないところを確認して「あ、今日もツムツムあってよかった…かわいいとこ見れて行った意味あった…」って安心するような。いやもちろん、「健人くんキラキラすぎて目が離せない…」とか、毎回予習をよい意味で裏切ってくれるものがあるから、SexyZone好きでいるんだけども。
でも、今回の『風 is a Doll?』は、何かを見られた/見られなかったで良い悪い判断するようなものではなく、参加しているファン一人一人がその場の一員としてコンサートを盛り上げようとしていて、それは風磨くんを助けたい!みたいな感じじゃなくて、勝手にそんな気持ちにさせられるコンサートだったんですよ!
- “風 is a Doll?”とはいったい…
ソロコンタイトルが発表されたときは「"風 is a Doll?"って、おいおいふうまちん、大学生にもなって、まだ中2病かよwww」ってにやにやしてたのですが、会場では別の意味でにやにやしました。
舞台はたぶん近未来。人形たちの決起集会というコンセプト。このままではガラクタとして一緒くたに捨てられてしまう人形たち。「人間になる」という夢をかなえるためには人間の心が必要。そこで8人(8体?)の人形たちは「風 is a Doll?」という盗賊団を結成し、恋心を盗むことを誓い合う…みたいなやつです。
え?くわしく説明されてもめっちゃ中2病じゃんって?いやいや、あのね風磨くんが盗賊団のリーダーなんだけど、バックについてくれた安井くん、樹くん、半澤くん、増田くん、萩谷くん、真田くん、美勇人くんがみんなスタイルよくて、ダンス上手くて、ちょっとだけワルそうで。あるんですよ説得力が!風磨くん作詞の『Party up!』で一人一人Jrマンションから登場するときも、照明の加減でシルエットだけになる瞬間があったり、他の仲間につなげるダンスだったりで「盗賊団」としてサマになってて、片手だけはめた指出し革グローブもお似合いでね。常々アイドル曲って曲自体の良さ以上に、コンサートでのビジュアルも大事だと思ってるのですが、このオープニングの『Party up!』のビジュアルが最高だったので、ああもう今日は楽しいんだろうな…って予感でいっぱいになりました。
そんでその後も、オテンキのノリさんが考えてくれたコントに大爆笑し(8/4、1バル最前にいらっしゃってましたノリさん。個人的に増田くんの「宇宙人になりたい」がすごい好き。楽屋で生まれた樹くんの「ちょっと六本木について説明した後、未成年?の設定なんでウィンウィンウィン」も含めw)、会場みんなで大合唱し、タオル振り回して大暴れし、と超楽しかった(表現力が乏しくてごめんね)。知らない曲があってもとりあえずふうまちんが煽ってくれるままにぶんぶんペンラ振り回してれば楽しいから置いてかれない。
今回、第2バルコニーでアリーナ見渡せる席だったのですが、ファンサをもらおうとしてる子があんまりいなくて、みんなペンラだのタオルだの振り回してて、幸せな空間だなーって思いました。個人的にはアイドルの認知やファンサを全面否定はしないのですが、過剰なファンサもらい合戦がそれ以外のファンたちのノイズになってコンサートを楽しみきれなくしている現状はちょっとどうかと思ってたので、風磨ファンみんな最高かよって思いました。
そんなこんなで、仕事終わりの格好のまま恥ずかしいくらい汗だくで、知り合いに見られませんようにと祈りながら電車乗ったのですが、帰り道、なんかこう、すごく希望が湧いてきたんです。バカみたいなんだけど。
なんかうまく言語化できないけど、ふーちゃんソロ観て、マッドマックス4観た後みたいに元気になったよありがとふーちゃん!
— さつき (@chocomintholic5) August 4, 2015
言語化、うまくできるかわからんけど、ちょっとやってみようと思うよふーちゃん!
- ガムシャラサマーステーションにおもうこと
風磨ソロコンの数日前、六本木のEXシアターに『ガムシャラサマーステーション』を観に行きました。大好きな松島聡くんとマリウス葉くんのパフォーマンスが期待以上で大変興奮したのですが、もう一つ興奮したのがJrくんたちのパフォーマンスバトル。私が見た日は、チーム武vsチーム羅の対決。
煌々と照らされたパフォーマンスステージの中で、ファンへのアピールもそこそこに、心を通わせてパフォーマンスを成功させることに集中する選抜チームメンバーたち。
そして、それを薄暗いセットの高みから見下ろして応援するちびJrたち。
今回スタンディングではなく、初めて指定席で入ったからなのか、このバトルの雰囲気があまりに非現実的で、もはや退廃的な感じすらあって、ここは近未来SF的な少年隔離施設なの!?と思って、ドキドキしました。ちびJrたちがおそろいの白Tシャツ白パンツなのも、なんだか施設の制服っぽくて。
……「ガムシャラバトル」とは六本木の地下にある少年隔離施設で夏の間だけ行われるイベントである。施設の中で実力をつけた者たちが選抜され、チームを組んで、バトルを行う。観ている者をより多く魅了して勝利したチームには、その隔離施設から脱出する未来が与えられるかもしれない。少年たちは、この世のどこかに「約束の地」があると、夢見ている。バトルを制して施設から出られれば「約束の地」にたどり着けるのだと…。
パフォーマンスバトル見ながら、こんなナレーションを勝手に思い浮かべてました。「約束の地」っていうのは、映画『マッドマックス4』の「緑の地」のイメージ。たどり着けば、「人間」らしく幸せに自由に暮らせる場所。
「風 is a Doll?」を見ていて、この盗賊団って六本木の少年隔離施設から脱走してきたんじゃ…とも妄想しました。(真田くんはガムシャラ出てないけど)*1
『マッドマックス4』は核戦争後のあらゆる資源が枯渇した世界が舞台。イモータン・ジョーというカリスマ独裁者が宗教的に群集を支配しており、人はみなジョーの所有する「モノ」として扱われている。そこで立ち上がるのが、フュリオサという女戦士。*2子産み女として軟禁されていたジョーの妻たちを連れ出し、まだ汚染されていない資源が豊かな故郷である「緑の地」を目指す。
- 希望を餅続けること
今のアイドル、というか若手ジャニーズの現状を『マッドマックス4』の世界に重ねると、四方から槍を投げられそうなんだけど、「みんなが見るドラマ」も「みんなが聴く音楽」もない今って、アイドルにとって荒廃した砂漠を生き抜くみたいに過酷な世界なんじゃないかといつも思っています。特に、若手ジャニーズが先輩たちのように売れようともがくことは、存在しない「緑の地」「約束の地」を目指して突き進むのと同じなのではないか。
世界がどこまでも汚染されていて「緑の地」なんてもはや存在しない残酷な現実を知ったフュリオサのように、Jrの子たちがSexyZoneのままならない現状を見て、デビュー=「約束の地」ではないと絶望しないのだろうか、とも思っています。
そのあるかもわからない「約束の地」を目指す少年たちの輝きで熱気を保つサマステってやっぱり近未来SFの退廃的な世界観に通じるものがある…。(デビューがすべてではないだろうし、他の男性アイドルに比べてジャニーズ事務所はまだ恵まれているのだろうと思いますが)
風磨くんは、16歳という若さで自分よりさらに若いメンバーと一緒に期待のグループとしてデビューして、希望もたくさんあっただろうけど、その分「約束の地」なんてない現実をたくさん見てきたんじゃないかと思います。
でも、『風 is a Doll?』からは、風磨くんがジャニーズにちゃんと希望を見出していることが感じられた。それが現実逃避の夢物語なんかじゃなくて、しょっぱい現実の中でもアイドルをやっていくんだっていう決意表明に見えました。
- 風磨くんの新しい武器
風磨くんはきっと今回のソロコンにあたって、自分の武器は何かってことに死ぬほど向かい合ったのではないかと思われます。本人も「中島ァがいなかったらこんなに頑張れなかった」というようなことをよく言っていますが、中島健人が永遠のライバルという人生はプレッシャーがすごすぎて考えただけで吐きそう。
風磨くんの武器。多くの人が予想したように、それは「歌唱力」と「仲間」でした。バンドなど普段やらない形式も含むボーカリストとしての表現と、7人の愉快な仲間たちとのひと夏のストーリーが風磨コンの一番の魅力でした。
一方で、今回わたしにとって予想外の武器も見つかった気がしています。
菊池風磨の圧倒的な武器。それは「教養と知性」。
ふうまくん、クイズ番組ではあんまり活躍しないけど、やっぱりめちゃめちゃ賢い子!ここでいう「教養と知性」は学校のお勉強できるできないとは関係ないやつ。
「教養」とは、ジャニーズ文化を自分の中に蓄積し、研究する力。ファンを喜ばせる最高のセットリストも演出も蓄積がなければ生み出せません。
「知性」とは、その研究をパフォーマンスに落とし込んでいく力。自分の求められていることと、やりたいことをすり合わせて、それを周りのスタッフや仲間に伝えてかっこいいジャニーズを再現する力。
風磨ソロコンのバックが風磨くんの仲良しばっかりだとわかったとき、正直イケメン兄ちゃんたちウェーイな内輪ウケコンサートになるのかなーと思いました。多くの人が思ったかもしれない。
でも、蓋を開けてみたら全然違った。風磨くんは自分のもともとの武器の「歌唱力」と「仲間」を、最新鋭の「教養と知性」という武器できちんとエンターテインメント化してくれた。アイドルのプロでした。
私は、今回のソロコンがSexyZoneの世界観とまったく違ったものだったこと=風磨くんのやりたいことが SexyZoneではできない、ということではないと思ってます。
むしろ、ジャニーズ文化の継承者「SexyZone」として選んだものなのではないかと思うのです。ジャニーズの文化の中で中島ァや他のメンバーが「できないこと」「選ばないこと」をつきつめて考えた上でのセトリや演出なのではないか。すっごく自由にセトリも演出も仲間も選んでいるように見えて、SexyZoneの一員として自分がジャニーズ文化の中で継承すべき部分を、風磨くんはわかりすぎているのだと思っています。
風磨くんの発言ですごく好きなのが、今年の春くらいの日経エンタの「SexyZoneってジャニーズの文化そのものだと思うんです」(ニュアンス)っていうもの。
中島ァと二人で、いやSexyZone五人で、「ジャニーズという文化を継承していくんだ」っていう自負を感じます。
しかもそういう気持ちを、決意を、難しい言葉で伝えるんじゃなくて、10歳の女の子にも伝わるようにパフォーマンスに落とし込んでくれたのが、本当に天才。アイドルの天才。
だからね、ラスト近くのTOKIOの『リリック』から、風磨くん作詞の『20-Tw/Ntyー』で泣きそうになりました。
言葉だけじゃ伝わんないから唄うよ
歩んだその先に 僕の夢の続き 必ず見せるから
こういうメッセージを体現していたパフォーマンスであり、歌でした。
映画『マッドマックス4』の荒廃した世界で、唯一の希望は、フュリオサの仲間が命に代えて守ってきた大切な植物の種子。これを植えて私たちが新しい世界を作るんだって、イモータン・ジョーの砦に向かっていきます。その中でそれまで「モノ」として扱われていた妻たちは、一人ひとりが新しい未来のために、自分の武器を活かして戦い始めます。それが「モノ」じゃなく「人間」でいるということ。
「風 is a Doll?」盗賊団も、決起集会が進むうちに「心は奪ったり、与えられたりするものじゃなく、音楽を通じて徐々に感じていくものなんだ(ニュアンス)」って気づくんだけど、きっと誰かから認められてデビューしたら「アイドル」とか、CDが売れたら「アイドル」じゃないんだよね。そういう与えられるものじゃなくて、世界が砂漠だろうと向かい風だろうとなんだろうとファンのことを考えて自分の武器を磨いて理想の未来に向かって戦い続けるその現在進行形の姿を見せ続けることが「人間になる」ことであり、それが風磨くんにとって「アイドル」であることなんじゃないかって思います。
なんか、ふーちゃんのエモさに感染したみたいなんだけど、どうしてくれよう。
ジャニーズアイドルのSexyZoneがすごく好きだから、ジャニーズ大好きな風磨くんほんとサンキューな!『F』にも書いたけど、五人がそれぞれジャニーズ文化を愛する高潔な継承者を背負ったSexyZoneがめっちゃかっこいい。
ということで、昨夜コンサートから帰ってから遅くまでこれ書いて、仕事して、また今これ書いてアップしようとしている。睡眠不足だけど、明日お客さんとの打ち合わせで居眠りしないように気をつけます!せっかくなのでもうちょっとタイトルともひっかけて書く予定だったんだけど、結局タイトル倒れだし、情熱のままに好き放題書いてごめんね!後日興奮が落ち着いてから、もう少しわかりやすくなるよう文章手直しするかもしれません!
菊池風磨くん、初のソロコン大成功おめでとうございます!
※手直ししたいのはやまやまですが、整理してしまうと、せっかくのエモさが失われてしまいそうなので、エントリ更新後のつぶやきを貼っておきます。
ふまソロにマッドマックスみ感じたって方もいた!「モノ(人形)でいるな!人間であれ!この世界を生き抜くために!」っていうメッセージの部分だけじゃなく、映画(コンサート)作りの方法論も似てるなーと思う。まぁマッドマックスは、あまりによくできているので、何語るのにも使えるのは真理
— さつき (@chocomintholic5) August 6, 2015
マッドマックスの脚本は女描くからフェミの専門家呼ぶってくらい研究されて練られてて、でも「そういう難しいのムリ!」な人にも映像体験として言語化されずとも伝わるように考えられてる。だから繰り返し観て語られることに耐えうるし、何にも考えずに観ても面白い。
— さつき (@chocomintholic5) August 6, 2015
同じように、風磨ソロコンも、研究を重ねてガチガチに詰め込んだ上で、そう見えないように省略洗練されてるから、深読みしても面白いし、「Don't think!Feel!」で観ても面白い。その楽しみ方のどっちが上とか下とかなくて、あるのは上質なエンタメが提供された事実
— さつき (@chocomintholic5) August 6, 2015
だから、先輩グループの曲に詳しいジャニオタ20年選手もセクゾンの曲しか知らないよっていう新規もみんな楽しかったのだよね風磨コン
— さつき (@chocomintholic5) August 6, 2015
油断すると仕事中でも「波の音も 焼けた砂も 」って途中まで歌ってから客席にマイク向ける風磨ちんと「アルバムには残らない君の声も」って全力で応えるオタクの声聴こえるからつらい
— さつき (@chocomintholic5) August 6, 2015
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」オリジナル・サウンドトラック
- アーティスト: ジャンキーXL
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2015/06/24
- メディア: CD
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