阿久津愼太郎さん(七五三掛担)の男性アイドル論がすごいので、「二・五次元」特集のユリイカ読んでください。

目次にジャニーズ、宝塚、歌舞伎とあり、私得過ぎる…と思ってひと月くらい前に購入した『ユリイカ総特集「二・五次元」』。読んでみたら、二・五次元舞台作ってる人・演じてる人・観てる人がみんな熱くて、今二・五次元舞台の現場に行ってみたい気持ちでいっぱい。原作好きなので、ハイキューは絶対行きたいけど、チケットとれるのかな…。

 

この特集の中で個人的にダントツ面白かったのが、阿久津愼太郎さんと少年アヤちゃんの対談。ジャニーズについて考える上で刺さりまくる内容。もう(男性)アイドル好きな人には全員読んでほしい!配って回りたい!ってくらい。

 

阿久津くんは、自身がD-BOYSとしてアイドル俳優的に活躍されつつ、DISH//など男性グループの現場にも通うアイドルオタク。阿久津くんのことは去年のユリイカの総特集「イケメン・スタディーズ」のインタビューで初めてちゃんと知ったのだけど、その時からすでに漫画やBLについて熱い持論を展開していて、「初めて見た魔女っ子が『カードキャプターさくら』だったのは、いま考えてもいまの僕のアイデンティティの一部になっていますね。」とか言ってて面白い子だなあと思った記憶がある。あらためて読み返してみると、去年の時点で「百円のものを千人に売る一般受けの人と一万円のものを十人に売るヲタク向けの人がいて(略)僕自身はヲタク向けの部類ですかね(笑)。」とかなり濃い話してた。 

ameblo.jp

阿久津くんは、自分を取り巻く状況を現在進行形ではっきり言語化できるすごい人だと思う。状況をわかってる子は他にもいるかもしれないけど、言葉にできる知性と、言葉にする責任を引き受ける勇気がすごい。今19歳。彼は同じインタビューで「僕のなかで男の子のいちばんいいときは16歳から18歳の下顎が発達する前」と言っていて、新しいイケメン像の男性アイドルをプロデュースしたいとのこと。調べてみたら、昔ジャニーズ事務所に所属して2008年の「SUMMARY」に出てたんだね!今でもジャニーズ好きらしい!七五三掛担らしいよ!確かにシメちゃん下顎発達してないよね!ちょうどいいまとめあったから貼っとく!

matome.naver.jp

 

 

前置きが長くてすみません。阿久津くんがすばらしい人材すぎて。さて、ここからが本題。今回の対談、ちょっとこれはもう尊敬の域です。

 

タイトルは「欲望と自己愛についての対話篇―アイドル・イケメン・マイノリティ」。

この対談の何がよいって、阿久津くんのアイドルとしての自意識と、アイドルオタクである自意識がぐるぐるしているところ。わたしがアイドルについて感じてたことを、アイドル本人がバンバン言ってくれてる。しかも「腋毛は萌えなんですけど、すね毛は萎え」なぜなら「腋はそんなに拝めるものじゃないから出てきたときはちゃんと見ろみたいな英才教育が影響してるのかもしれない」みたいなガチオタ目線も交じってくるから、あっち側だしこっち側だしで、読みどころが多すぎる。

対談の副題が「アイドル・イケメン・マイノリティ」っていうのもポイントだと思う。特に気になったところを紹介してみる。

 

  • アイドルについて

好きな男性アイドルに少年性を求めるのはなぜかという質問に対して、阿久津くんは以下のように答えている。

(※この部分はニュアンスがとても大切だと思うで長めに引用させていただきます。)

 

 性的なこともなにも知らないうちからこの業界に飛び込んで、単に若くていいねというよりも、純粋だね、そのままでいてねみたいな言葉をかけられてきて、若さは強さというか、ずっと子供でいなきゃいけないと思っていたんですよ。そうは言っても身長は伸びつづけるし、いつかの冬に自分の肩幅が広がっていることに気がつき、大人たちが求めてくれていたものと違う方向に走っていることを自覚したときにそれを他人に投影するようになったんです。(p.204)

 

 

 まずね、この部分読んでちょっと泣いた。SexyZoneファンの私は、松島聡くんとマリウス葉くんの顔が思い浮かんでしまった。2011年に13歳でデビューした松島くん。松島くんが、昨年メンバーに本音を伝えるという企画で「中3で声変わりするまでは、歌うことがすごく好きだったの。5人の中でいちばん高い声が出て、それが俺にとって唯一の取り柄だと思ってた。でもそれすら失って…”これ”ってものが何もない自分がイヤでイヤでしかたなかったよ。*1と言ってたのを思い出した。11歳でデビューしたマリウスくんも、自分の身長が伸びることに戸惑っているように見える時期があった。

身長が伸びたり、声変わりをしたり、肩幅が広くなったりすることって、多くの男性にとって喜ばしいことのはずだ。でも阿久津くん自身、いまでも歳をとることに抵抗があるようで、「下降」という表現をしている。誰かにひどい言葉で「大きくなるな」って言われたわけではなくて、善意の「純粋だね」「かわいいね」って言葉にこそ縛られるのだ。若くしてデビューしたアイドルは、成長期にはいつまでも「小さくてかわいい」ままでいなくてはいけないというプレッシャーと闘い、成長したあとも「小さくてかわいい」昔の自分と闘いつづけなきゃいけない。

個人的に、松島くんとマリウスくんがメインで出演した昨年の「ガムシャラSexy夏祭り」は2014年で最も心が震えた現場だったし、成長した二人の姿は本当に本当に素晴らしかったと思うけど、そういうファンの声だけでは埋められないものもあるのだろうと思う。

先日読んだ『ダ・ヴィンチ』の朝井リョウさん×高橋みなみさんの『武道館』刊行対談を思い出した。高橋みなみさんは「善意がプレッシャーになっていく」こともあるのだと言っていた。「がんばれ」「かわいい」「もっと見たい」という善意の応援によってアイドルが壊れることもあり得るのだと。西武ドームで響き続けるアンコールの中、過呼吸になる前田敦子さんのシーン(映画「DOCUMENTARY of AKB」)と、高橋さんの言葉を重ねるともう何も反論できないという気がする。阿久津くんの話は、この高橋さんの言葉と松島くんやマリウスくんの存在を地続きにするものだと思う。アイドルは男女問わず、日々ファンや周りの大人たちの「こうあってほしい」という欲望にさらされていて、それが100%「善意」であっても、アイドル自身がそれによって傷つく可能性はなくならないし、彼・彼女の価値観に影響を与え続けるかもしれない。アイドルを応援することがアイドルを傷つけるなんて、普段コンサートでアンコールって叫んだり、少クラ見ながらSNSで可愛い可愛いつぶやいているときには想像もしない。じゃあオタクはアイドルのためにどうすればよいんだよって頭抱える。朝井さんの小説『武道館』は、読んでる途中でジャニオタの自分の身に刺さりすぎて、読むのがしんどくなって今中断している。でも、今後もアイドルを応援し続けたいから、最後まで読んで答えのかけらを見つけられたらいいなと期待している。

 

  • イケメンー(マイナス)0.5=アイドル=マイノリティ?

阿久津君は、二・五次元舞台のよいところとして「最初から男性が性の対象としてみられることをその男性自身や社会が許している」ということを挙げている。性の対象として見られ慣れていない俳優が、「キャラクター」を一枚のせることで、ファンも応援しやすくなるし、俳優もアイドルとして振る舞いやすくなると。少年アヤちゃんの「彼らにとって0.5はコスプレなんだ。それによって、人間の男であるというしがらみから解き放たれる」のだという返答も含め、首がもげそうなほどうなずいた。「男尊女卑」の芸能界の中で「女性が男性を性的にまなざした瞬間、女性の方が上にたてる」のだという阿久津くんの発言にもしびれた。先日KAT-TUNの東京ドームコンサートの衣装が「刀剣乱舞」のキャラクターみたいだと話題になっていたけど、コンサートなどのアイドルっぽい空間のジャニーズって、ド派手な衣装と「ジャニーズ」っていう肩書で三次元-0.5している気がする。おかげで少なくとも私は男性をまなざしやすくなってるなと感じる。

女性アイドルが男性アイドルに比べてしんどそうなところってやっぱり性に関する部分が大きくて、それは女性が結婚出産もろもろで仕事を続けづらかったり、女性向けに比べて男性向けの性産業が圧倒的に発達していたりする現実社会をそのまま反映していると思う。だから女性アイドルのしんどさって、社会の中でアイドルじゃない一般女性が抱えるしんどさとリンクしているんじゃないかと思う。

一方で男性アイドルのしんどさって、現実社会とあんまりリンクしていないのではないか。男性アイドルとして求められることと、社会の中で一人の男として求められることが違うからこそ、女性アイドルよりしんどい瞬間があるんじゃないかと思う。男性アイドルってマイノリティなのだ。(もちろん男性アイドルと女性アイドルどっちがしんどいかとかそういう話ではなくて。)

だから、阿久津くんのように言葉を持っている人が、男性アイドルのしんどさを身をもって知っている人が、アイドルをプロデュースする側にも入って、これからも当事者として言葉を発信してくれることが男性アイドル自身にとってもファンにとっても救いになるとよいなという願いを込めてこのエントリを書きました。

 

ということで、こんな濃い話が9ページも続くので、ユリイカぜひみなさん読んでください!

阿久津くん、今のBLとかアイドル語りのフェーズにめちゃめちゃマッチしてるから、今後こういうお仕事増えるのでは。というかぜひ増やしてほしい。

事務所関係とかいろいろ難しいと思うけど、「若い子たちに歳をとってもいいんだよと代わりに言う役になれたらなともいまは思っています」という阿久津くんにはぜひ、若手ジャニーズと対談してほしい。個人的にコンサートのレポ読んで、メタ視点が素晴らしいジャニーズWESTさんあたりとお話してほしいです。あとは女性アイドルとの対談もぜひ読みたいです。ユリイカさまダ、ヴィンチさま、実現よろしくお願いします。

 

久しぶりの更新でちょっと暗い話もしてしまったので、次は普通に舞台の感想とかアップしたいなー。

 

 

 

ユリイカ 2014年9月 臨時増刊号 総特集◎イケメン・スタディーズ

ユリイカ 2014年9月 臨時増刊号 総特集◎イケメン・スタディーズ

 

 

 

 

*1:2014Myojo6月号「ライバルは昨日までの俺」の中のマリウス葉くんにあてたメッセージの一部

ジャニー喜多川なき世界に向かって -ジャニーズ マスト ゴー オン-

ジャニー喜多川なき世界に向かって -ジャニーズ マスト ゴー オン-」というタイトルの文章を現代文化研究会『F』さんに寄稿させていただきました。5月4日(祝)の文学フリマで販売されます。今回のテーマは「継承 戦後カルチャーのゆくえ」とのことで、私はジャニーズにおける「継承」について書いています。

ということで以下一応宣伝的なことを。まずは、私が書いた内容を少しご紹介したいと思います。

 

 【目次】

 ジャニー喜多川なき世界に向かってージャニーズ マスト ゴー オンー

1. ジャニーズにおける「継承」とは

2. ジャニーズミュージカルと「Show must go on」の意味するもの

3. 劇場型人材育成システムとしてのミュージカル

4. 堂本光一中居正広と「Show must go on」

5. ジャニーズ文化の成熟とジャニーズニュータイプ

6. 佐藤勝利という光

7. ジャニー喜多川なき世界に向かって

 

 現在ジャニーズの「継承」問題といえばもっぱらジュリーVS飯島ですが、その辺りはメリーさんの独占インタビューでもうこれ以上私が語るべきこともないかなという感じなので、今回はこれまでジャニーさんが担当してきたコンテンツ面の「継承」について書きました。

 ジャニー喜多川がこれまでジャニーズアイドルに「継承」させてきたものとは何か、またそれがいかにして「継承」されてきたのか、さらにそう遠くない未来のジャニー喜多川なき世界でジャニーズは「継承」され得るのか。舞台仕事の話を軸にして、ジャニーズの現在・過去・未来に思いを馳せています。

『2015新春ジャニーズワールド』のこと、『EndlessSHOCK』のこと、SMAPのこと、山Pのこと、『ピンクとグレー』のこと、ふまけんのこと、松島聡くんのこと、マリウス葉くんのこと、じぐいわのこと、オリンピックのこと、佐藤勝利くんのこと、そしてSexyZoneのこと。

 私がジャニーズを好きになって感じたジャニー喜多川の素晴らしさと興味深さと恐ろしさを詰め込みました。自分でいうのもなんですが、なかなか面白い読み物になっているかと思います。14000字くらいあってちょっとした卒論みたいな量ですが、読みやすいです。 

 

 『F』の他の論考についても紹介できればよいのですが、実はまだ他の方の論考の内容をよく知らないので、詳しくは現代文化研究会さんのブログを見ていただければと思います。近く詳細が載るはずです。

現代文化研究会公式BLOG

実は!『F』を主催されている方の一人は『ジャニ研!』を書かれている矢野利裕さんだったりします。

ジャニ研!: ジャニーズ文化論

ジャニ研!: ジャニーズ文化論

 

わたし矢野さんファンです。わーいわーい。この辺の記事も好きです。

realsound.jp

 

realsound.jp

 矢野さんは今回はジャニーズについてではなく、ご専門の音楽や文学について書いてらっしゃるんだと思いますが、面白い論考が多そうで、どんな内容になっているのか楽しみです。ぜひ多くの方に読んでいただければ嬉しいです。

  

ではあらためて、『F』が買える文学フリマ詳細です。 

文学フリマ東京流通センター

5月4日(祝)11:00~17:00

現代文化研究会『F』(96ページ)¥300

2階Fホール オ11・12

文学フリマ - 第二十回文学フリマ東京 開催情報

 

『F』さんの原稿書くのにかなり時間かけましたし、書き途中のエントリが何本かありますし、4月はずっとジャニーズについて何かしら書いていた気がします。ゴールデンウィーク中に全部アップできるといいな。

 正しきセクゾンファンは4日はきっと大阪にいるんだと思いますが、私と同じようにチケットとれなかったという方は、文フリに出かけるのもよいかもしれません。4日はわたしも会場に行こうと思っていますので、ぜひ。奇特な方がいれば、お声掛けください。 

 

『UTAGE!』の中居正広さんと横尾渉さんと中島健人さんの話 

他の方のブログを読んでいて、ブログは話題のリアルタイム性が大切なんだなと思ったばかりなのに、3月に書き始めた記事をやっとアップすることになってしまった。文章力がないので、考えたことを短時間でどんどんまとめられないのがつらい。

 

3/16放送の『UTAGE!』を観た。この番組を観るのは昨年SexyZoneが「King&Queen&Joker」で出演したとき以来。この日の健人勝利風磨の出番は、SMAPの「ありがとう」を舞祭組の4人とコラボ、そしてアルバムのリード曲「マワレミラクル」の二曲。

とりあえずリアルタイムで観たときには、舞祭組兄さんたち健人勝利風磨を持ちあげてくれてありがとうございます、という感じだった。

が、なんと言えばよいのかうまく飲み込めない感覚が残り、気になって何度か観直して、それが横尾渉さんと中島健人さんの振る舞いによるものだと思ったので、ちょっと書いてみる。

 

  • 横尾さん

どうやらこの番組で舞祭組はお笑い担当。歌がうまいとされる歌手のハモリをやって音痴さを笑われたり、トークでもオチを担当したり。特に横尾渉さんは「師匠」というあだ名がついている。音痴具合が飛びぬけているということで「師匠」なのかな多分。

前回観たときもそうだったのだけど、まずキスマイ4人のこの扱いには毎回少しガーンってなる。ジャニーズを好むようになって日が浅いので、勝手にイメージを抱いているだけだが、キスマイといえば、泣く子も黙るイケイケ集団ではないのか。だって足にキスしろよですし。セクゾンのような少し現実離れした可愛い感じのグループと対照的な、いわゆる「リア恋」枠のお兄さんたちというイメージ。2013年のカウコンの後のコント番組も面白かったけど、コントと違って、『UTAGE!』は歌ったり踊ったりするステージ上だから、アイドルの本業部分と地続きなわけで。

そうなると気になるのは、横尾さんは普段キスマイの活動時にどのようにふるまっているのだろうか、ということである。「ありがとう」を歌っている間中、一度もカメラ目線をしない。それどころか、視線が定まらなかったり、今度は一点を見つめ続けたり。ソロが終わった後も曲は続いているのに、フリーズしてしばらく動かない。横尾さんのあまりにアイドルらしからぬ振る舞いにどきどきしてしまった。彼は何を考えているのか。わざとアイドルっぽく振る舞わないようにしているのかと言えば、健人くんが横尾さんの顔を見たときには、ちゃんとアイドルっぽく目を合わせようとしていたから、そんなことはなさそう。ますます何を考えているのかわからない。なんていうかテレビっぽくない。曲中にひな壇の指原さんたちウタゲアーティストが横尾さんに爆笑してる様子がはさまれるけど、笑いどころがつかめない。ギャグっぽく歌ったり、てへぺろしてくれたりすれば、「師匠キャラ」として安心して笑って観れるのに。全然そうしないから、もはやちょっと怖い。横尾さんのぽっかり開いた口にブラックホール的な何らかの闇をみる。怖い。何を考えているのか気になる。横尾さんに「師匠というキャラ」に収まらないもっと過剰な何かを感じた。

 

  • 健人くん

 健人くんは横尾さんとは逆のベクトルで過剰な何かを発していた。一曲の間にぎりぎりまで詰め込まれたアイドルっぽいパフォーマンス、手振り、カメラアピール、笑顔…。これらが視聴者であるファンに向けられたものであるとするなら、話は早い。アイドルがステージ上でファンに向けて魅力的に見えるように振る舞うのは当然だから。しかし健人くんの振る舞いはテレビの前のファンが素直に「かっこいい!」と思う隙がないくらい詰め込み気味なものだった。舞祭組のメンバーと目合わせ過ぎだし。宮田くんはトーク時に「中島健人くんと目が合ってときめいた」と発言している。同じジャニーズの宮田に向けてパフォーマンスしてどうするんだ。

誰に向けられているか分からない過剰なアイドルらしいパフォーマンスの連続は、おそらく健人くんがSMAPの大ファンであることと関係しているのではないかと思う。健人くんは雑誌やテレビのインタビューで度々SMAPの曲が昔から好きであると語っている。いつか詳しく書ければと思うが、中島健人はいわゆるジャニオタ気質をもっている。「ジャニーズである」前に「ジャニーズ」が好きだったのだ。そんな彼が大好きなSMAPの曲を歌っているという喜び、ひいては「ジャニーズである自分がジャニーズの曲を歌う」ということの喜びを体現しているがゆえのパフォーマンスの過剰さだったのではないか。あの宛先不明の過剰なパフォーマンスは、大好きなSMAPさんの曲を歌うなら「こうありたい」という彼の理想像にむかっているのである。中島健人を知らない人が見たときに単なる「ナルシスト」「かっこつけ」だけだと思わないで、その過剰さの理由が気になってくれるとよいなと思う。私が中島健人に惹かれたのは彼が、ファンからのさまざまな視線をちゃんと引き受けて「ジャニーズである」ことに誇りを持っているように見えるのがかっこいいと思ったからなので。

 

いきなりだが、私はSMAPの中で中居正広さんが一番好きだ。一時期出演ドラマを録画して観る茶の間ファンだったこともある。仕事に対してストイックなところも好きだし、グループやコンビというものに対して運命厨っぽいところも好きだ。

中居さんは、本来マイナスなイメージをもつ事柄を上手にパッケージングして、分かりやすい構図のテレビショーをつくるのが天才的にうまいと思う。3/16の『UTAGE!』であれば

イケメンで歌も上手なジャニーズらしいアイドルSexyZone⇔ブサイクで歌も下手なジャニーズらしくないアイドル舞祭組

という構図(あくまで構図ですから怒らないでください)のショーだった。舞祭組の4人もその構図を分かっていて、歌う前は「緊張感もてよ」などと先輩ぶっていたのが、歌った後には「SexyZoneはすごい!かっこいい!」とわかりやすく持ち上げてくれていた。

中居さんがすごいのは、舞祭組の立場をただ下げるのではなく、舞祭組にも利益のあるような構図のショーにするところだ。たとえば、舞祭組は「ジャニーズなのに歌などのパフォーマンスが下手、ブサイクである」というマイナスのパッケージを貼られることで「ジャニーズなのに格好つけてない=いいやつ、おもしろい」というプラスのパッケージを手に入れる。いろんなことがTwitterやらなにやらで筒抜けになりカリスマ性を維持するのが難しい今、アイドルがダメな自分をあえてさらけ出すことは多くの人に好感をもって受け入れられる。昨年お盆に実家に帰った際に、地元のいとこやその子供たちがみんな舞祭組のおしりの歌を口ずさんでいて、人気の全国区ぶりを実感した。中居さんの手にかかれば、本来飲み込みづらいマイナスなことでも、プラスの糖衣がかけられるので、視聴者は飲み込みやすい。

それに対して、3/16の『UTAGE!』が私にとって何だか飲み込みづらかったのは、上であげた横尾さんと健人くんの振る舞いの過剰さが理由だと思う。

横尾さんはショーの中の「師匠キャラ」として視聴者が安心して観ていられないくらい過剰にアイドルらしくない振る舞いだったし、健人くんは視聴者の抱くジャニーズとしてのかっこよさの期待値を超えて過剰に「ジャニーズ」らしい振る舞いだった。二人がステージで並ぶことでお互いの過剰さが際立ってしまい、中居さんの作る飲み込みやすいショーがバランスの悪いものになっていたのだと思う。

中居さんのことが好きな一方で、中居さんのバラエティの方法論はたまに私を不安にさせる。私の本当に好きなものが中居さんに見つかってほしくないと思う気持ちもある。もし今後SexyZoneがバーターとして共演することになったら、茶の間に親しんでもらえるかもしれないが、決まりきった不本意なイメージが先だってしまうかもしれないから。そのグループの情報を積極的に得ようとしてない人たちに浸透してしまったイメージを変えていくのはとても大変なことだ。まあ、今の健人勝利風磨体制で地上波出まくっている時点で、これ以上不本意なイメージもなにもないのだけど。また、中居さんは共演するたびにその「体制」に突っ込んでくれており、感謝していることもつけくわえておく。

 

昔、アイドルとは「ほころび」があることだと言った人がいた。まあ「隙」のようなものだと言えば分りやすいか。『UTAGE!』のショーでは横尾渉のほころびは「音痴」なところである。だが、彼のほころびは、そんな表面的なものではなく、もっと深いところにあるんだろうなと思う。その「キャラ」にならないような深いところにある「ほころび」を見出し愛でるのが、アイドルのファンのなるということだと思う。

私はキスマイのことも、横尾さんのこともよく知らない。でも、中居さんの作ったわかりやすい飲み込みやすい「キャラ」を超えて、もっと知りたいと思わせる引力が『UTAGE!』の横尾さんにはあった。友人に連絡し、とりあえずキスマイのおすすめDVDを借りる約束をした。

どうか、あの日の放送を観た方が中島健人くんにもそんな引力を感じますように。「ありがとう」を歌う健人くんは、本当に「ジャニーズである」ことの幸せに満ちていて、楽しそうで、ずっと観ていたいと思った。横尾さんが気になったのは本当だが、私にとってこんなに観ていたいと思えるアイドルは中島健人くん以外にいない。できることなら明日も仕事に行かないで、夢の世界でもう一度会いたい。

 

ももいろクローバーZ『幕が上がる』がアイドル映画としてすごかったので、感想を書く。

またジャニワの記事ではありません。

 

ももいろクローバーZ主演の映画『幕が上がる』を観てきた。映画としての出来はともかく、ももクロちゃんたちが非常に魅力的だったのと、アイドル映画の中で特殊な作品になっていると感じたので、感想を書く。以下、ネタバレあり。

 

舞台は地方高校の弱小演劇部。なんとなーく演劇部に入り、なんとなーく部長になってしまったさおり(百田夏菜子)が、元学生演劇の女王だった美術教師(黒木華)、演劇エリート校からの転校生(有安杏果)との出会いを通して、仲間たち(玉井詩織・高木れに・佐々木彩夏ら)とともに自分の夢を見つけていく…というお話。

 

3月7日のウィークエンド・シャッフルの「週刊映画時評 ムービーウォッチメン」の中で映画の大枠としての評価はすでにしっかり語られており、私も鑑賞後に聴いてすごく納得した。

www.tbsradio.jp

http://podcast.tbsradio.jp/utamaru/files/20150307_watchmen.mp3

上のpodcastを聴いてない人のためにすごーくおおざっぱに要約すると、映画としての出来はそれほどよくないのではという話。さおりのナレーションで心情全部説明しすぎ!登場人物の葛藤や成長が唐突すぎ!ももクロの音楽がかかるタイミングがおかしくない?小ネタや誇張演技に必然性がなさすぎ!など。このような指摘は私も観賞中に感じていたことなので、うなずきながら聴いた。※ももクロちゃんは好きですが、大ファンというわけではないので、ももクロについて詳しい人ならもっと楽しめる小ネタもあったのかも。

 

でもね!映画の出来なんて関係なく、『幕は上がる』は良かったんだよ!じゃあ、どこがよかったのか。さらに宇多丸さんのラジオでの発言を引用する。

アイドル映画において僕がもっとも重要だと考える要素、その時の彼女たちでしか撮れない時間を真空パックするという、いわばドキュメンタリックな側面というのもきっちり押さえようとして、それがある程度うまくいっている

そうなのだ。『幕が上がる』はももクロの5人のメンバーの「今」をきっちり可愛く撮ってる。それは間違いない。劇中、はっとさせられるくらい特別に可愛い瞬間があって、5人それぞれを、好きになりかける。それは本当に間違いないのだ。

 

「5人が可愛いのでよかった」以上に『幕が上がる』はすごい作品なのではないかと思ったので、もうちょっと論を展開してみる。さきほど書いた映画としてちょっと疑問が残る点も、わざとなのかもしれない…と思わせるほど、実は『幕が上がる』は数あるアイドル映画・少女映画の中で特異性を持っている。それは、

「少女の汗と涙を見せ場にしていないこと。」

中森明夫は『アイドルにっぽん』という本で、2000年代の少女映画ブームについて次のように述べている。男女問わずアイドルが「演じる」ことについて考えるとき、私はいつもこの箇所を読み返したくなる。ちょっと長いが引用する。

これらの作品群は、実のところたった一つの物語を反復している。それは「少女たちが力を合わせて何かを成し遂げる」という物語だ。リーダー格の少女がいる。三枚目キャラがいる。家庭に問題を抱えた女の子がいる。そんな少女たちが何かに出逢って覚醒する。フラダンスでもブラスバンドでもカーリングでもいい。何か一つの同じ目標に向かって少女たちは結束する。メンバー同士の諍いがある。挫折がある。小さな恋の芽生えや、周囲の大人たちの協力がある。そしてクライマックスのステージへ。ラストは少女たちの涙・涙・涙……。重要なのは、それが”本物の涙”っであるということだ。若い女優たちは、役を演じるために実際にフラダンスや楽器やカーリングの猛特訓に励んでいる。その汗と努力の記憶が、役を超えてクライマックスシーンの彼女らに少女としての本物の涙を流させてしまう。「少女たちが力を合わせて何かを成し遂げる」―それは映画のストーリーとしてあるばかりではない。実際の彼女たち自身にとってのドキュメンタリーなのだ。どんなSFXにも作れない、巨額の製作費を投じたハリウッド大作にも叶わない……少女たちの”本物の涙”を味わうため、観客は「少女映画」に足を運ぶのである。     

「アイドル女優の可能性」より

アイドル映画・少女映画の肝は「少女の汗と涙」である、と言ってしまうと身もふたもない話だが、その通りだと思う。『幕が上がる』もここで語られている『フラガール』や『スウィングガールズ』等と相似のストーリー構造をもつ。何かに出会って覚醒し、挫折しながらも、力を合わせて成し遂げる。観客は、登場人物である演劇部としての5人と、アイドルももクロを、当然二重写しで見るはずだ。ももクロが頑張っている姿を観に来ているのである。ここでは詳しく触れないが、この作品はいわゆるアテ書きかと思うくらい、5人のパーソナリティやももクロをとりまく状況が作品の中に重ねられている。

近年のアイドルドキュメンタリー映画も、2000年代のこの少女映画の流れを汲むものだと思う。ただし、劇中の「汗と涙」の中に観客が勝手に”本物”を見出すものだったのが、ドキュメンタリー形式をとることでより直接的に”本物”の「汗と涙」を味わえるようになった。AKB関連のドキュメンタリーや私が最近観たものだと『BiSキャノンボール』など。どちらもやはりむきだしの「汗と涙」を見たという印象が強い。*1

 『幕が上がる』は鑑賞後、肝心の「汗と涙」についてほとんど印象が残らない。5人は映画の前に平田オリザのワークショップで演劇についてそれなりに厳しい指導を受けたと聞く。またストーリーとしては、挫折も葛藤も描かれているはずだ。

なぜ「汗と涙」の印象がないのか。それは葛藤・逡巡がすべて手紙の朗読を含むモノローグで語られるからだ。観客はその言葉以上の重い感情を想像しづらいのではないかと思う。劇中で「涙と汗」がメインとなるのは、主人公のさおりが見た悪夢の中のみである。このシーンがなんともコメディチックでシュールで、その「涙と汗」に感情移入するのは難しい。 

感情移入用の「汗と涙」が排除されているならば、何が描かれているのか。それは、5人の「笑顔」だ。劇中はもちろん、エンディングロールで流れるメイキング映像も、劇中なのかと見まごうほど、5人はずっと「笑顔」でずっと可愛くふざけている。エンディングロールくらい、ちょっとつらそうに俯いたり、上手くいかなくて泣きそうな顔をしていたりすれば、観客は”本当”のももクロの表情を見ることが出来た!と喜ぶはずだ。でもももクロはそれをしない。ドキュメンタリーバージョンの方では苦悩して号泣しているのかもしれないが、少なくともこの劇映画中では一切のそれを想像させないのだ。

 

佐々木彩夏演じる明美ちゃんがぽつりと、「やっている間は気付かないけど、部活って、いつか終わっちゃうんですよね」というようなことを言うシーンがある。アイドルの活動もいつかは終わるものだろう。*2『幕が上がる』はやはりまぎれもなくアイドルという存在を描いた映画であると思う。なんとなく演劇部に入った主人公さおりの演劇へのモチベーションは、「演劇が好き」などというように自分の中にあるわけではない。「目の前の人たちに必要とされること」「応援してくれる目の前の人たちのために頑張ること」それが彼女の夢になってく。

このアイドルを描いた映画の中で、どんな逆境に立たされようと、百田夏菜子の口角は下がらない。アイドルたちの”本物”らしい「汗と涙」よりも、私が今見たいのはこれだ、と思ったのだ。

劇中で百田夏菜子演じるさおりが言う。

「人生、狂ってもいいです。私の人生だから。」
「私たちはどこにも行けないけど、舞台の上ではどこまでも行ける。宇宙を目指せる。一人じゃない。」

「汗と涙」を見せるはずのアイドル・少女映画の中で、「笑顔」で語られるこのセリフが、ももクロのアイドルとしての決意として、とてつもなく説得力をもって響いた気がした。*3

アイドルにっぽん

アイドルにっぽん

 

 

2015年のアイドル論として、ユリイカの少年アヤちゃんと阿久津愼太郎さんの対談も衝撃的でした。

chocomintholic5.hatenablog.com

 

*1:『幕が上がる』もメイキングドキュメンタリーがあり、れにちゃんが号泣しているらしいのだが、ここではあくまでも一本の映画として本編の方だけを考えたい。

*2:ももクロは他の女性アイドルに比べ、「卒業」というものから遠い印象がある。また「卒業」のないアイドルを目指しているように見えるが、それでも今と同じメンバー・状況で活動していけるかは、どのようなグループでも保障されているものではないだろう。

*3:だからこの映画のメイキングドキュメンタリーの方は、観ません!

「岡崎京子展」と「萩尾望都原画展」に行ってきました

一週間に1エントリーを目標にしていたのですが、なかなか更新できなくて、自分の意志の弱さを反省中。ジャニワの記事は、思い入れが強すぎてなかなか納得できず。激重ですんません。

 

ということで気分転換に別の記事を。一昨日、仕事でぽかっと空き時間ができたので、行きたいと思っていた場所にいってきました。


開催中企画展 - 世田谷文学館

 

  • 萩尾望都原画展」@スパンアートギャラリー

萩尾望都 原画展 〜『銀の船と青い海』出版記念〜

 

まずは腹ごしらえで、新宿三丁目駅の地下にあるフレンチ「クレッソ二エール」。ぼっち飯にやさしいお店。 日替わりはさつまいものポタージュと鳥むね肉の赤ワインソース。デザートは洋酒のきいたパンプディング。

コーヒーおかわりくれるし、ぼっちにも優しいお店だし、おいしいよ!!

 

世田谷文学館へ。予想よりずっと数が多く充実した展示でした。有名になる前のイラストや投稿作品、小さな雑誌の連載も展示してあって、ひとつひとつ時間をかけて読みました。岡崎京子さんの影響を受けて今活躍している作家さんたちの当時を追体験したような気分。

特に気になったのは、小沢健二さんについて書いた記事。

ご存じのように岡崎京子さんは1996年に事故に遭い、現在もなおリハビリ中です。家族以外面会謝絶状態だった当時、小沢健二さんは家族だと名乗って病室まで会いに行ったそうです。そこまでした理由を訊かれ、答えたのは

「僕は彼女の王子様だから」

2010年のオザケンライブには、リハビリ中の岡崎京子さんが車イスで来ていたそうです。身近に熱心なオザケンファンがいるので、以前からそんな話は聞いていたのですが、今回の展示で、岡崎さんにとって小沢健二は絶対的な存在だったことを再確認。

岡崎作品は、女の子がとても魅力的でわたしは『危険な二人』や「夏の思い出」のセーコとヨーココンビや『東京ガールズブラボー』や『唇から散弾銃』のサカエちゃんが大好きです。そしてそれ以上に、一緒に登場する男の子たちが印象的。透明感があって頭がよくておしゃれでちょっと気だるげで。

だけど、魅力的な男の子ほど、女の子に冷たい。つまり、内面にいわゆる「王子様」要素をあまり持ち合わせていないんです。女の子を今いる日常から連れ去って幸せにするなんてことは、最初からあきらめている感じ。

だからこそ、「王子様」という言葉を選んだ岡崎さんの王子様観がとても気になります。今度オザケンファンのお友達に聞いてみよう。

展示は3/31(火)までです。グッズはマスキングテープとクリアファイルがメインだったかな。入口のグッズコーナーに岡崎作品がズラリなのも、壮観でした。ぜひ。

ちなみに今回の展示のフライヤーは『リバーズ・エッジ』のイラスト。この「山田くん」のモデルは、フリッパーズ・ギター小山田圭吾さんだと言われてます。

リバーズ・エッジ 愛蔵版

リバーズ・エッジ 愛蔵版

 
岡崎京子 戦場のガールズ・ライフ

岡崎京子 戦場のガールズ・ライフ

 

 

 

 

続いて、「萩尾望都原画展」へ。今年は何だか有楽町によく来る笑。

生で見る原画はやはり特別に美しい。萩尾望都さんは岡崎京子さんが影響を受けた作家のひとりなので、現代少女漫画のルーツをたどる旅ができたと勝手に満足。

そして!今回の展示は、グッズがとても素敵。ポーの一族プリントバッグ、クリアファイル、Tシャツ。私はTシャツを購入。 

 

萩尾さんを特集した雑誌や対談集も各種取りそろえられておりました。その中でメンツに一番惹かれたこちらを購入。

愛するあなた 恋するわたし: 萩尾望都 対談集 2000年代編

愛するあなた 恋するわたし: 萩尾望都 対談集 2000年代編

 

気になるページからざっと目を通しましたが、漫画家の 清水玲子さんとの対談がよい。テーマは「マンガ的美少年」

 

――美少年が美しいまま生き残るにはどうしたらいいんでしょう。

 

萩尾「美少年のくせに幸せになろうなんて甘い(笑)」

 

――抽象的なんですが、先生方にとって美少年とはなんでしょう。

萩尾「トラウマは外せない(笑)」

 このあと 清水先生の「やっぱり顔を売りにしていないこと。精神あってこそ。何か目指すものがあって、顔もきれいだったらなおよし。」という発言も興味深いのですが、萩尾先生のこの一言のインパクト!!

稲垣足穂的美少年観とも似てる…ていうか、影響を受けてるのかな。

美少年の美とは、(美的美女の場合と同様に)不幸に運命づけられた者のみに賦与された特権とでも云いたい或物である

                    稲垣足穂少年愛の美学

 

ここ一年ほど、誰かが美少年について語っているのを読むと、論者の古今東西関わらず、反射的に佐藤勝利くんが思い浮かぶ病気にかかっているのですが、萩尾先生には是非ジャニー喜多川氏と「美少年」対談していただきたい。絶対に話が合う。

対談集が多いのをみると萩尾先生は対談に積極的なのかな、と思いますので、ぜひお願いします。

 

ということで、萩尾望都原画展は有楽町すぐのスパンアートギャラリーで明日3/15(日)まで開催です。ぜひ。

銀の船と青い海 (河出文庫)

銀の船と青い海 (河出文庫)

 

 

2015現場観劇記録

世界の片隅でひっそりとやっている、しかもこのような残念長文ブログを見てくださっている方がいることに震えています。いんたーねっとすげえ!仕事でばたばたして悔しい限りですが、ジャニワ先輩の記事少しずつ書いています。

 

自分の備忘録用として現場記録を。随時更新していきますので、もし趣味合う!という方がいらっしゃれば、Twitterなどで話しかけてくださるととても喜びます。

 

 

1/4「石川五右衛門」 @新橋演舞場

1/5~8・11「春高バレー2015」@東京体育館

1/21 「新春2015ジャニーズワールド」@帝国劇場

2/13 六本木歌舞伎「地球投五郎宇宙荒事」@EXシアター

2/15 柿食う客 女体シェイクスピア007「完熟リチャード三世」@吉祥寺シアター

3/4 「EndlessSHOCK」@帝国劇場

3/26 「SexyPowerTour」@横浜アリーナ

3/27 「MISS SAIGON」@PRINCE EDWARD THEATRE

3/30 「Wicked」@Apollo Victoria Theatre 

4/19 「禁断の裸体」@シアターコクーン

4/26  平成中村座陽春大歌舞伎 夜の部 

5/21 ままごと「わが星」@三鷹星ホール

5/28  「SexyPowerTour」@名古屋・日本ガイシスポーツプラザ

7/2 水素74%「わたし~抱きしめてあげたい~」@三鷹星ホール

7/12 マームとジプシー「cocoon」@東京芸術劇場

7/31 ガムシャラサマーステーション@六本木EXシアター

8/4  菊池風磨ソロコンサート「風 is a Doll?」@TDCホール

8/6 橘菊太郎劇団特別狂言「鶴八鶴次郎」@浅草木馬館

8/9  中島健人ソロコンサート「Love Ken TV」@TDCホール

8/18 サマーパラダイス@TDCホール

9/4 ドリアングレイの肖像 @新国立劇場

9/11 少年たち@日生劇場

9/13 DREAM BOYS@帝国劇場

9/22 雪組「星逢一夜」@東京宝塚家劇場

10/17 星組「ガイズ&ドールズ」@東京宝塚劇場

10/23 A.B.C-Z座@日生劇場

12/3 モールス@グローブ座

12/4 ブルーシート@旧豊島区立第十小学校

12/8 書を捨て町へ出よう@東京芸術劇場

12/10 城山羊の会「水仙の花」三鷹星ホール

12/13  ジャニーズワールド

 

 

【今後の予定】

12/19 花組「新源氏物語

1/29 ハイバイ「夫婦」

3/8  野田MAP「逆鱗」 

 

【とても行きたい行けたらいいな】

新春浅草歌舞伎

鹿殺し

SHOCK

寝取られ宗介

蜷の綿 

 1798

 

 

 

ジャニーズ初心者がジャニーズワールドに恋をした話

先日、ついに「新春2015ジャニーズワールド」を鑑賞してきました。

久しぶりにステージの上の健人くんに会えるー!という程度のつもりで行ったら、予想外に気持ちをもっていかれてしまい、三週間経った今でもジャニーズワールドという夢の世界から戻って来られません。私はジャニワの何にこんなに惹きつけられているのか。この気持ちをどうにか言葉にしたい、できれば共有したいと思ってTwitterでもつぶやいたのですが、全然足りなかったのでここにたどり着きました。

「言葉で理解しないで、フィーリングで感じてほしい」と新聞の取材で言っていたジャニさん。言葉にすることが野暮なのは重々承知なのですが、言葉にしないと毎日の生活に支障がでそうなほどなので、ごめんなさい語らせてください。

過去二年の公演を見ていない上に、佐藤勝利くん、中島健人くん、マリウス葉くんの三人ばかりに注目して鑑賞したので、いろいろ見落としていたり勘違いしていたり失礼な発言をしてしまったりする可能性があることはあらかじめお詫びしておきます。もしよろしければ、長文おつきあいください。

 

*************

 

家族がアイドル好きだったり、『ジャニ研!』を読んでいたりと、もともとアイドル文化自体は私にとってわりと身近なものでした。それでもタイトルに「初心者」と書いたように、ここ十年以上、私の視界にジャニーズはほとんど入ってこなかった。2013年の年末までは。何気なくカウコンつけて妹と「全部イケメンだ~」ってきゃっきゃするだけの予定だったのですが、あの日、ついに私は中島健人くんを見つけてしまったのです。いや、健人くんに見つけてもらったのかもしれない。あのとき、確かにテレビの画面越しに目が合ったから。ほんとだから!

あれ、この白い服の子かっこいい。あ、ウインクしたかっこいい。かっこいい。かわいい。茶髪の子と二人組かな。なんていう子だろう。若いジャニーズにこんな子がいたんだ!と思い、ググってみると、数々の伝説(トンチキ)と「CANDY」のライブ映像に遭遇。そのお正月はずっとSexyZoneとケンティの動画を見続けました。

 

まあ、一度そうなったら社会人は早いです。クレイジーアークセール!と叫ぶまでもなく、転げ落ちるみたいに加速して次々に課金。人生で初めて同じCDを何枚も買い、コンサートのためにFCに申込み、レコーダーも買い、セクチャン契約し…。

正直、SexyZoneのファンは彼らと同世代のいわゆるリア恋の女の子ばかりだと思っていました。でもTwitterでコンサートのレポを漁っているうちに、いろんなスタンスの人がいるんだなあと。写真加工したり、絵描いたり、ひたすらほめたり、ひたすら貶めたり、フォロワーの誰も知らんやろっていう難しい文章引用してジャニーズの素晴らしさ語ったり。ジャニーズってお題の大喜利を見てる感じで、ジャニーズ文化おもしろすぎる!と興奮する日々。映像そのままのVineも、コメントと切り取り方で全然違う物語になっていつも驚かされます。「山Pは人類のキセキ」や「えびペンラ事件」のように、リアルタイムでどんどんネタが投下されて、キラーワードが生まれて、共通言語化していくのもすごい。

SexyZone関連をチェックしているうちに、他グループやジュニアの顔と名前が一致してきたり、飛び交う専門用語(担当、ヒロム、シンメなどなど)が分かってきたり。ジャニーズ初心者としてはこの一年、RPGでアイテム手に入れて、徐々にレベルアップしていくみたいで課金も楽しかった。まあレベルアップ!といいながら実際はズブズブ沈んでいるらしいんですけどね。ジャニーズという名の沼に。

ジャニワ鑑賞も一人前のジャニオタとなるためにクリアしておきたい必須アイテムの一つみたいな。ジャニオタたる者、新年には帝国劇場に通い「ジャニワトンチキ過ぎて訳わからなかった\(^o^)/」と言っておかねば、みたいな。

 

 ジャニワ前にステージ上の健人くんを見たのは代々木の新曲お披露目会。二階席から見下ろした光景が、あの時の騒動とリンクしてちょっとしたトラウマです。上三人が長時間客席に降りる演出があったのですが、たくさんの女の子が健人くんめがけてうおぉぉぉおと群がっていて、どこ触られても引っ張られてもキラキラが減らない健人くんが女神すぎてなんか土下座したくなったあの日。あの女の子たちは私だ。勝利くんなんてタタリ神をかきわけるアシタカかと思ったもん。私知らず知らずのうちに呪いかけてんのかよって。

ジャニワも、ちょっと怖かった。昨年のジャニワ記者会見時の健人くんの「フライングでお客さんにチューしちゃうかも」(ニュアンス)発言、そして今年はどうやら「勝利くんが逆さ吊りになって腰につけたアフリカの太鼓をお客さんに叩かせるらしい」という意味の分からないうわさ。ジャニーズの現場はSexyZone関係しか行ったことがなかった私は、ジャニワのことをお芝居と歌とダンスのある接触イベント的なものだと勘違いしていました。だからストーリーは二の次なんだろうと。

そんなこんなで内容にはまったく期待せず、接触はあんまり見たくないぞ、と思いつつ、予習もせず、レポも追わず、ひたすらキラキラ摂取するぞーー!!という意気込みだけで帝国劇場に向かったわけです。

 

 

 

 

 

それが!そんな私の思いは開演五分で完璧に裏切られました!良い意味で!

アイドルとしてのキラキラはフルパワーのまま、圧倒的な演出のステージにけんしょりマリがいる。なんならいい年した私がちょっと泣いたし、感動した!なんだよこんなに良いやつやってるなら初めからそう言ってよ!

 

 

一応、時系列で感動の具合を追っていくと、観劇した当日はこんなテンション。

ステージの上のSexyZoneが大好きなので、とりあえず久しぶりに三人だけでも観られてほんとに幸せでした。あと、SnowmanやA.B.C-Zを初めて生で観て、彼らの身体のエンタメ性に「すげえ!すげえ!かっけー!」って素直に感動しました。

 

そして 念願の!ジャニワわかんないツイート!これでわたしも一人前のジャニヲタ!やったー!

 

このツイートとはうらはらに、予想していたよりもトンチキ度・わけが分からない度が低くてちょっと動揺する自分もいました。

 

2013‐2014カウコンの健人くんからふまけん、そして五人が好きになった私は、帰り道、舞台上にいなかった風磨くんや聡ちゃんのことをずっと考えてしまいました。だからこそ、とにかくけんしょり推しの意味が気になっていた鑑賞当日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異変に気づいたのは、ジャニワ鑑賞してから三日ほどたった頃。

 

 

 

 

 

 

あれ、わたし、気付くとまたジャニワのこと考えてる…?

 

 

 

 

 

 

 

ジャニワのこと考えると胸が苦しい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャニワのこと考えると、どきどきして眠れない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジャニワ以外のこと考えたくない!私はジャニワのことだけ考えてたい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな気持ちは初めてだよジャニワ…

 

 

 

 

本当に気づいたら寝ても覚めてもジャニワのことを考え続けていて、誰かにこの気持ちを話したくて、でも話せる人は身近にいなくて、眠れない夜は、ジャニワについて語っているブログやツイッターアカウントを血眼になって探しました。が、今回公演期間が短いせいなのか、三年目だからなのか、私が期待したような長文は見つからず。 あまりにも見つからないので、もしかしたら私の知らないうちにジャニワについて長文で語らないルールできてる?みんなジャニさんの言うこと忠実に守って書かないとか?一人前のジャニヲタになった気でいたけど、私はまた波に乗り遅れたよ…。人さし指をこめかみあたりにあてがった風磨くんが私の脳内で「Don’t think,Feel!」と微笑みます。風磨くん無駄に登場させてごめん!

 

 

 

それからずっと、誰か、私にジャニワについての長文をくださいの日々。

 

 

平静を装っていますが、スマホを見つめる目は血走っていました。この日もジャニワのことを想い始めたら明け方まで眠れなくなった上に、七時くらいには「はっ!ジャニワ!」って目が覚めてしまったのです。もうそろそろ仕事にも支障が出るレベル。しかし、切実なツイートにも何の反応もなく。私が得ている情報の範囲が狭いっていうのもあるんでしょうけど。もうしょうがないと思い、自分で書き始めました。ワードに。

 

書き始めてみると、驚くほど筆が進む進む。あこがれの先輩と渡り廊下で一瞬すれ違った記憶だけで一週間ときめき妄想日記つけちゃう中学生の恋みたい。そうか、これは恋なのね!恋なのか?確かに一方的に恋い焦がれてた中学生の頃の気持ちと限りなく近い気がする。ゲーセンの駐車場で倒しちゃったバイクを起こしてくれて「ケガない?」って笑顔で去って行った高校生のお兄さん元気かな。あのときは部活ない日はゲーセンに通い詰めてこっそりお兄さんを見て、彼が吸っていた煙草(!)の銘柄、スニーカーのブランド、リストバンド(時代!)、ほんのちょっとの情報でどきどきして眠れなくなったもんです。いやいや、あれは大切な思い出ですけれども、私も今やアラサ―ですよ。何かを想って眠れなくなるなんて、もう人間相手には何年も訪れてない感覚。ここでまた来ちゃったか私。せめて人に恋心抱きたかったね私。

 

中学生の頃の恋心は、片思いとはいえゲーセンに行けばお兄さんはだいたい居て、妹の同級生の兄らしいことがわかって友達と家見に行ったり、地元の祭りのどさくさに乗じてドキドキしながら話しかけに行ったり、そういうことができたわけです。でも、ジャニワのこと考えてキーボード叩いているとき、ふっと周りを見回すと、そこには悲しい現実しかない。PC机の周りには食べ散らかした夕飯と、飲み散らかしたワイングラスと、見散らかしたブルーレイのパッケージと、読み散らかした雑誌と、着散らかした洋服と…。私が夢中でキーボードを叩けば叩くほど、部屋の床がどんどん見えなくなっていくわけですよ。あれ、魔法陣かなにかかな。いつのまにか私の周りをいろいろなものが取り囲んでいるよ。一人前のヲタクになる前に、社会人として最低限の生活を保つ努力をすべきではないか私、ともう一人の私が進言してきます。でもね、ブルーレイ流してるテレビ画面では世界一可愛いマリウス葉くんが「OK,Here we go!」と叫んでる。ありがとう、ありがとうマリちゃん!マリの可愛さがこの世界の大きさ超えちゃってることに比べたら、いい年した自分が形のないものに恋心を抱いて仕事もうわの空になって部屋が荒れ放題なことくらいどうでもいいことだよね!満足するまで私書くよ!

思い出とか現実とかバンバン振り切って情熱のままに書いていったら、驚くことに一週間で二万字超えてました。ジャニワ先輩へのラブレター。

毎晩毎晩ジャニワ先輩についてワードに書きなぐることで、心は少しずつ落ち着いてきて、でも別の意味で睡眠時間削られまくって、今週も少人数の会議で居眠りして上司に呼び出されて社会人としての自覚が足りないと注意される始末。それでも相変わらずジャニワ先輩のことを思うと動悸がする。今書かない選択肢はないんだよ!私は今なんだよ!社会人としての自覚<<<<<<<<ジャニワ先輩。

 

  

そんな日々を過ごしてたら私、ブルーレイとか雑誌とかでほんとに魔法陣つくっちゃってたのかな。書き始めて一週間くらいで、ちょっとずつ特殊能力が。ジャニワ先輩について思いを馳せるときに、後ろ姿とか横顔が思い浮かぶようになった。幻覚なのかな妄想なのかな。

 

ジャニワ先輩は、髪長めの頃の戸塚祥太さんでした!「でした!」って私のさじ加減ひとつなんでしょうけど。制服は学ラン。帰国子女で最近までアメリカにいたらしい。おうちはかなりのお金持ちらしい。学校一の美少年だから、隠れファンクラブとかある。でも本人はそれを知らない。もしくは知ってても全然気にしてないみたいに振る舞う。文化祭で誰も知らない古典をいきなり一人朗読発表したり、授業時間に校庭ででんぐり返ししていたり。先輩の奇行をみんなが知ってる。おしりのポケットにカバー外した岩波文庫がいつも入ってる。ジャニワ先輩はそのうちまたアメリカに戻ってしまうらしい。

 

うん。わかってる。わかってるよ。さんざんジャニワのことが好きだって言ってたけど、ジャニワ先輩の方が完全に戸塚さんに寄せてきてるよね。ジャニーズワールドを観たとき、艶やかな和装をした坊主の戸塚祥太さんが衝撃的なほど美しかったことも私の脳内に影響しているんでしょう。いや、戸塚さんが好きだ!という話ではありません。戸塚さんもかなり好きですけれども、戸塚祥太さんの姿をしたジャニワ先輩について考え始めると動悸がするようになってしまったという話。

 

毎日、脳内でジャニワ先輩が育っていきます。架空の友人まで登場。

友人A「ジャニワ先輩ってさー、顔はかっこいいけど、中身ヘンっていうかトンチキだよねー」

友人B「わかるー!見てる分にはいいけど、彼氏にするのはちょっとねー」

  

 

…ちがう、ちがうの!ジャニワ先輩はトンチキなんかじゃない!あの奇行に彼なりの意味があるの!!

言いたいけど言えない。だって私はジャニワ先輩と一回すれ違っただけだから。ちょっと知ったかぶろうものなら、「一年坊が生意気なんだよ」と3年生の先輩たちに呼び出されそう。ああでも誰かにこの気持ちを伝えたい。ジャニワ先輩が読んでいた本、飲んでたジュースの種類、そこから想像しうるジャニワ先輩のすべて。誰かに伝えたら動悸も収まるのではないか。部屋に気持ち悪い魔法陣ができてたことも、社会人としての自覚を持ち合わせていない人として上司に認識されたことも、全部報われるのでは。というか、部屋とか仕事よりも、今この瞬間も脳内で友人と会話してるのが一番やばいのかな。今ちょっと客観的に自分を見られない。

 

 

 

ということで、これからしばらくこの場所を使い、ジャニワ先輩についてワードに書きなぐったラブレターを少しずつ整理してみたいと思っています。笑われても気持ち悪いと思われても、自分でもうまく制御できないこの恋心を誰かに打ち明けたくてしょうがない。

 

 

今後まとめることは、今回のジャニワにおいて佐藤勝利くん、中島健人くん、マリウス葉くんが担っていた役割、また舞台上と舞台外の出来事の関連性あたりが中心です。三週間考え続けても全然飽きない。ジャニワ先輩、大好き。

 

 

長くなりすぎたから、そろそろ区切ろうと思うんだけど、我慢できなくてちょっとだけ先走ります。

ジャニワ先輩のどこが素晴らしいかって、とにかくとにかく美しいの一言に尽きると思うのです。

ジャニーズワールドのテーマは、「生きることとショーを作ることの関係」、つまり「現実と虚構の関係」だと思われます。そのテーマがストーリーの構成、演者同士の関係性、演者と役の関係性、舞台内と舞台外の関係性、すべてに通じていて、ストーリーの細部の矛盾やいろいろなものをねじ伏せてしまうくらい、テーマを描ききるための構造が強くて潔くて本当に美しい。

すべてに通じるその構造が「Show must go on!」というたった一つのメッセージに回収されていくのもまた美しい。 

一幕の前半でミュージカルカンパニーの劇団員である「健人」と「勝利」がアクシデントによりショーを中断しようとしたとき、「プロデューサー」が発するセリフとしての「Show must go on!」は「何が起こってもショーを中断してはならない!」という意味。

その後、現実と虚構を巡る13月を探す旅を経て、このセリフの意味が変わってきます。これこそ「プロデューサー」が「勝利」と「健人」に伝えたかったことであり、ジャニーズワールドのメッセージ。

「Show must go on!」=「生きていくためにショーを作り続けなければならない!」

 

この言葉は劇中の「勝利」と「健人」の関係性が変化する中で次のようにもとらえられるのではないかと思います。

 「Show must go on!」=「生きている限り、ショーを作ることからは逃れられない!」

 

戦後日本のエンタメ業界を牽引し、一代でジャニーズ 事務所を築き上げたジャニーさんと劇中の「プロデューサー」を重ねるとき、このメッセージはより強度をもつものとして響きます。また現在、売り出し方で迷走しているように見えるSexyZoneの佐藤勝利くんと中島健人くんが座長を務めることで、舞台内と舞台外の入れ子構造が明確になり、一ファンとしての私たちのあり方さえ規定していく舞台であったと思う次第です。

くわしくは、またあらためて。

 

 

何日もかけてこれを書きつづけている深夜というか明け方、ジャニヲタの自分語りについて多くの方がTwitterで言及されているのを目にし、ずいぶんと自分語ってしまった私は、今度こそジャニヲタの波にのりかけているのではないかと、震えています。はてなブログというジャニヲタ流行最新アイテムを手に入れて、また一歩レベルアップ!したのかな。わからん。

 

こんな気持ち悪い長文を書き散らしてしまい、公開したいけど、ボタンを押す勇気がない。一歩踏み出す勇危がない。そんなとき目を閉じるといつだってガラスケースの中から勝利くんがささやいてきます。「SexyRose…」

勝利くん、今それはちょっと、何を伝えたいのかちょっとよく分からない、よく分からないよ。でも明日がどんなものでもとりあえず12月に向けて頑張って生きていこうと思うよ。ジャニワ背負ってくれてありがとう!っていうか生まれてきてくれてありがとう!できることなら明日も仕事に行かないで、夢の世界でもう一度会いたい。

 

 

 

ここから後日加筆

結局ジャニワについて、まともにブログに書いたのは1年後になってしまったというダメぶり…

数万字ワードに書いた中で「けんしょり」の関係性についての部分を抜粋しました。 

chocomintholic5.hatenablog.com

 よかったらこちらも。ジャニーズ舞台の感想です。

 

chocomintholic5.hatenablog.com

 

chocomintholic5.hatenablog.com